新人営業の育成でつまずく4つの課題|29社37名の本音データと上司の指導法 - 甘やかさない令和式の新入社員研修ならセールスアカデミー|新人教育・育成会社
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コラム

新人営業の育成でつまずく4つの課題|29社37名の本音データと上司の指導法

新人営業の育成方法|調査でわかった4つの課題と上司の指導法

「新人営業をどう育てればいいのか分からない」「育成がうまくいかない」——その答えを、実際の企業の声と当社の指導経験から整理しました。

2026年9月17日、株式会社セールスアカデミーは書籍『新人営業は23日で決まる ——「熱・考・動」の実践』の出版記念セミナーをオンラインで開催しました。当日は52名が参加し、終了後のアンケートには経営者から現場の一般クラスまで29社37名の人事ご担当者・営業責任者が回答しました。

本記事では、そのアンケートから見えた4つの課題と、新人営業育成の全体像(7ステップ)、そして上司が明日から実践できる指導法までをまとめます。

【この記事で分かること】

  • 新人営業の育成で重要な3つのポイント(結論)
  • 29社37名の回答から見えた、新人営業育成の4つの課題
  • 新人営業を育成する順番=7ステップの全体像(研修→OJT→フィードバック→評価)
  • 課題別に、上司が明日から使える具体的な指導法

本記事の情報の出どころについて(3種類を区別して表記します)

  • 公的データ 国・官公庁が公表した統計。出典と公表日を本文中に明記し、一次資料へリンクしています。
  • 自社調査 2026年9月17日のセミナー参加者アンケート(回答37名/29社)で確認できた内容。回答者の範囲を超えた一般化はしていません。
  • 当社の見解 セールスアカデミーの研修・指導経験にもとづく考察。統計的に検証されたものではありません。

結論:新人営業の育成で重要なポイントは何ですか?

結論:新人営業の育成で重要なのは、①テクニックより先に「仕事の目的・考え方・姿勢」を教える ②教える内容を配属先ごとにバラつかせない ③研修で終わらせず、OJTとフィードバックまで設計する——この3点です。

新人営業の育成で重要な3つのポイントと、対応する本記事のセクション
重要なポイント なぜ重要か 詳しく読む
① やり方より先に「あり方」を教える 営業の仕事の意味を知らないまま手法だけ覚えても、行動が続かないため(当社の見解)。今回の調査でも、参加者が最も反応した内容だった 営業のOSとは
② 教える内容を標準化する 今回の調査で最も多かった課題が「育成の仕組み・標準化ができていない」だったため 課題①:標準化
③ 研修後のOJT・フィードバックまで設計する 「研修が現場の行動に変わらない」という課題が挙がっており、研修単体では行動変容まで届かないため 育成の7ステップ

そして、この3点を実行する順番が新人営業育成の7ステップです。全体像は「新人営業はどのような順番で育成すればよいですか?」で解説します。まずは、企業が実際につまずいている場所から見ていきます。

新人営業の育成で最も多い課題は何ですか?|29社37名の調査結果

自社調査

結論:今回の調査で最も多かった課題は「育成の仕組み・標準化ができていない」(有効回答34件中11件)でした。とくに配属後、上司や営業所によって育成の質が変わる点に回答が集中しています。

【調査概要|誰が・何を・いつ・どのように調べたか】

  • 調査主体:株式会社セールスアカデミー(自社調べ)
  • 調査名:出版記念 お役立ちセミナー「新人営業は23日で決まる『熱・考・動』の実践」参加者アンケート
  • 実施日:2026年9月17日(オンライン開催・60分)
  • 調査方法:セミナー終了後のWebアンケート(選択式+自由記述)
  • 参加者数:52名
  • アンケート回答数:37名/29社(回答率71.2%)
  • 回答者の役職:経営者・取締役4名/部長クラス5名/課長クラス10名/係長・主任クラス8名/一般クラス10名
  • セミナー満足度:「大変満足」64.9%(24名)、「満足」35.1%(13名)=満足以上100%

※自由記述の分類は編集部による。1つの回答に複数のテーマが含まれる場合は重複して計上。営業部門外のため「対象外」とした3件は課題の集計から除外し、有効回答34件として扱った。
※本調査は当社セミナーの参加者を対象とした調査であり、日本企業全体の傾向を示すものではありません。読み取る際の注意点は「この調査結果を読むときの注意点」に記載しています。

新人営業の育成について「課題に感じている点」の分類(有効回答34件・重複計上/セールスアカデミー自社調べ)
課題のカテゴリ 件数 代表的な記述
育成の仕組み・標準化ができていない 11件 配属先上長のスキルによるばらつき/体系的な教育がない
モチベーション・動機づけが続かない 7件 動機づけの維持/当事者意欲の醸成/モチベーションの差
主体性・社会人基礎力が身についていない 7件 受け身で提案がない/学生から社会人への切り替え
研修が現場の行動に変わらない 5件 研修の場と現場のギャップ/研修を自分事にできない

あわせて「営業教育で情報が欲しいもの」を選んでもらった結果(27名回答・複数回答可)は、若手・中堅社員向け19名、新入社員向け12名、管理職向け10名。今回の回答者に限って言えば、新人研修そのものよりも、その後のフォローと、教える側である管理職への関心が高い傾向が見られました。

課題①:なぜ配属先によって新人営業の育成に差が出るのですか?

結論:配属先で差が出る主な理由は、教える内容と言葉が共通化されていないことです当社の見解。今回の調査では「配属前は人事担当者が連携できているが、配属後にばらつく」という回答が複数見られました自社調査。

根拠となった回答:「育成の仕組み・標準化ができていない」は有効回答34件中11件で最多。内訳を読むと、成績優秀な社員が片手間で集合研修を担当している、中途採用中心で体系的な教育がない、そもそも育成方法が確立していない——と、原因は「熱意の差」だけではありませんでした。

「標準化が出来ておらず、配属先上長のスキルにより成長にばらつきがあるところが課題」

▶ セミナー参加企業|部長クラス

「配属前の新人営業育成は人事担当者が連携して行うので意思統一ができていますが、配属後の育成は各営業所の色などに寄るところが大きく、ばらつきがある点を課題ではないかと考えております」

▶ セミナー参加企業|一般クラス

「それぞれの事業部のTOP成績社員が片手間で集合研修を実施しています。短期的な効果の研修に感じております」

▶ セミナー参加企業|課長クラス

「配属された支店で育成に対する熱量が違う」

▶ セミナー参加企業|係長・主任クラス

上司が明日からできる指導法|「共通言語」を紙1枚にする

  • 新人に伝える項目を1枚に固定する。セールスアカデミーでは、新入社員研修の初日に「社会人としての心構え10ヶ条」を伝えています(宮脇がセミナーで紹介)。まずは自社版を作り、配属先の上司全員に同じ紙を配るだけでも、言葉のばらつきは減ります。
  • 第一条は「給料は誰からもらっているのか」。宮脇はセミナーで「新入社員に聞くと、たいてい『会社からです』と答える。違います、給料はお客様からもらっているんです」と語りました。セールスアカデミーでは給料日(毎月25日)の朝礼で社員に同じ問いを投げ、全社員がお客様を向く状態を保っています。
  • 配属後の“再確認の場”を日程で押さえる。配属前研修で入れた内容を配属後のフォローアップ研修で再確認し、現場での解釈のズレを戻すことを当社では推奨しています。今回の調査で「うまくいっている点」として挙がったのも、フォローアップ研修・メンター制度・月1回のWEBミーティングなど、期日が決まっている仕組みでした。

教育体制そのものをこれから整える段階の方は、教育体制が整っていない会社から脱却する方法|リスクと構築ステップもあわせてご覧ください。

課題②:新人営業のモチベーションが続かない原因は何ですか?

結論:当社は、モチベーションが続かない主な原因を本人の性格ではなく「その仕事をやる意義(なぜ)が伝わっていないこと」だと考えています当社の見解。今回の調査では「動機づけ」が有効回答34件中7件で2番目に多い課題でした自社調査。

宮脇はセミナーで、新人本人には「モチベーションは自分でコントロールすべきもの、モチベーションをできない理由・やらない理由にしないでください」と伝えると語りました。一方で上司側に求めるのは逆方向の行動です。

それが「なぜ」をセットで伝えること。「今の若い人たちには必ず“なぜ”をセットで伝える。理由を伝えれば素直に聞いてくれる」——これがセミナーで繰り返された指摘でした。

「当事者意欲の醸成に苦戦しています。キャリアビジョンを持たせる必要性を感じています」

▶ セミナー参加企業|課長クラス

「新入社員のモチベーションの継続、上司側のコーチングスキル、面談スキルの向上が課題」

▶ セミナー参加企業|課長クラス

「極力『なぜ』を伝えるよう、意識して教育できている点に関しては答え合わせができ良かったと思います」

▶ セミナー参加企業|課長クラス(うまくいっている点として)

上司が明日からできる指導法|量をやらせる前に意義を語る

  • テレアポの意義を、自分の言葉で説明できるようにする。宮脇はセミナーで、テレアポを「おせっかい営業」と表現しました。「お腹が痛いから病院に行こうというのは自覚症状があるから。これがWebでの問い合わせ。でも、久しぶりに会った親の顔色が悪いから病院に連れて行く、これはおせっかい。自覚症状がなくても課題を抱えたお客様はいる」。さらに「テレアポができるようになったら対面営業も必ずレベルアップする。営業は総合力だから」とも。同じ量をやらせるにしても、意義を伝えると質が変わるという指摘です。
  • 「売上は“ありがとう”の対価」と言い切る。宮脇は、売上が伸びている会社や受注できている営業パーソンはお客様からの「ありがとう」が多く、そうでない場合は足りない、と説明します。数字の話を「貢献の量」に翻訳する言い換えです。
  • 当社の推奨:目標数値を伝える前に、1on1で「あなたの仕事は、誰のどんな困りごとを解決しているのか」を新人自身の言葉で言語化させてください。上司が答えを言うのではなく、書き出させることがポイントです。

課題③:新人営業が受け身になる原因は何ですか?

結論:受け身になる原因は新人側だけにあるとは限りません。今回の調査には「細かく指示を出しすぎて、新人の考える余白を潰しているかもしれない」という上司側の自覚も含まれていました自社調査。当社は、①答えを渡しすぎている ②失敗を恐れている の2点が主な要因だと考えています当社の見解。

宮脇はセミナーで、今の新人について「できないのではなく、知らない人が多い。知らない理由を教えれば、とにかく素直」と語りました。一方で「インターネットやAIですぐ答えを探すので、深掘りが少なく考えが浅くなりがち」とも指摘しています。

もうひとつの要因は、失敗への恐れです。「今の若い人たちはゆっくり仕事をする。それは失敗したくないから」。ここで使われる言葉が「恥は0円」です。

なお、ここで課題に挙がっている「社会人基礎力」は、経済産業省が「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)として定義している概念です公的データ(出典:経済産業省「社会人基礎力」)。主体性は「前に踏み出す力」の能力要素のひとつであり、性格ではなく鍛える対象として扱われています。

「受身である。提案がない。主体性がない」

▶ セミナー参加企業|課長クラス

「細かく指示を出してしまいがちで、新人の考える余白を潰してしまっているかもしれないと感じています。バランスの取れた指示出しを行っていけるよう勉強中です」

▶ セミナー参加企業|係長・主任クラス

「学生から会社員への切り替えること・意識づけ」

▶ セミナー参加企業|係長・主任クラス

上司が明日からできる指導法|答えを渡さず、恥のコストをゼロにする

  • 「なぜそう思った?」と問い返す。宮脇は「考えが浅いなという人には、“なぜそう思った?”と問いかけるといい」と述べています。指示を出し切る前に、まず本人の仮説を1つ言わせてから補足する順番に変えるだけで、考える余白が戻ります。
  • 「恥は0円」を口ぐせにする。宮脇は研修でこの言葉を使い、自身の例も挙げました。創業以来「いずれ上場したい」と至る所で宣言し続け、2025年12月に上場を実現。「もしできなかったら大恥だが、恥をかいてもお金は取られない。宣言することで自分を追い込めるし、周りに協力者が現れる」。発言・提案のコストがゼロだと上司が言い切ることが、最初の一歩になります。
  • 結論ファーストを型として教える。宮脇は「今の若い人は否定されたくないので前提条件から話しがち。“〇〇さんと同じ意見なんですが”などは正直いらない。結論から言いなさいと指導すると、話が分かりやすくなる」と語りました。主体性は性格ではなく、型で引き出せるというのが当社の立場です。
  • 当社の推奨:挨拶・報告・整理整頓のような基礎は、「できているか」ではなく「いつ・誰が・何をチェックするか」を決めてください。研修後に基礎の抜けが発覚するのは、現場で見る基準が決まっていないためだと考えています。

世代特性の観点から新人の傾向を知りたい方は、Z世代の新入社員の特徴とは?育成とマネジメントで失敗しないためのポイントもご覧ください。

課題④:研修を受けても現場で行動が変わらないのはなぜですか?

結論:研修が行動に変わらない主な理由は、研修後の関わり方が設計されていないことだと当社は考えています当社の見解。今回の調査でも「研修の場と現場のギャップ」「研修を自分事にできない」という声が5件挙がりました自社調査。

とくに示唆的だったのが、「研修中に質問が出ないので、本当に分かっているのか疑問」という声です。静かに受講できていることは、理解の証明にはなりません。

宮脇はセミナーで「研修の後にこそ本当の勝負がある」「現場で通用するスキルは量と型から生まれる」と語りました。研修は入口であり、行動が変わるかどうかは配属後の関わり方で決まる、という考え方です。

「研修中には特に質問も出ないので、本当にわかっているのか疑問に思うことがあります」

▶ セミナー参加企業|一般クラス

「研修を『研修』として終わらせるのではなく、自分事として捉え行動変容すること」

▶ セミナー参加企業|課長クラス

「自分たちでは当たり前のこと『挨拶』『整理整頓』『相手への気遣い』などができていないことが、研修後に発覚すること」

▶ セミナー参加企業|係長・主任クラス

上司が明日からできる指導法|「研修受講のプロ」という基準を渡す

  • 研修は“給料をもらって受けている”と最初に伝える。宮脇はセミナーで、受講者に「あなたはプロですか」と問いかけると紹介しました。多くが「プロではありません」と答えますが、「正社員として給料をもらっている以上はプロ。今この瞬間は“研修受講のプロ”です」と伝える。さらに休憩の前後に「今の1時間は1,000円、2,000円をもらうに値する学びだったか」と問うそうです。受け身の受講を、その日のうちに自分事に変える問い方です。
  • 研修翌日に「2ストライク3ボール」で振り返る。宮脇が「一番簡単にできる」と挙げた方法です。まず良かった点を2つ伝え、その後に改善点を3つ伝える。「ダメ出しばかりだときつい。2つ褒められていると自信になり、心がオープンになる」。セールスアカデミーでは毎月の会議で、社員自身に先月の「2ストライク(良かった点)」と「3ボール(改善点)」を書かせています。
  • 当社の推奨:研修後の宣言は「1つだけ・期限つき」に絞ってください。宮脇は「多すぎるとぼやける。2つと3つにするから焦点がはっきりする」と述べています。10個の学びより、1週間で実行する1つの行動のほうが定着しやすいというのが現場での実感です。

新人営業に最初に教えるべきことは何ですか?|「営業のOS」とは

結論:最初に教えるべきは、営業テクニック(やり方)ではなく「仕事の目的・考え方・姿勢」(あり方)です。本記事ではこれを「営業のOS」と呼びます。

用語の定義:「営業のOS」とは

「営業のOS」は、株式会社セールスアカデミーが研修で用いている独自の表現です(一般的な経営学用語・公的な定義ではありません)。本記事では、営業として仕事をするうえで土台となる「仕事の目的・考え方・姿勢」を「営業のOS」と定義します。具体的には次の3つを指します。

  • 営業とは、そもそもどんな仕事なのか(当社の考え方:営業は「お役立ち業」であり、最も重要なスキルはヒアリング)
  • なぜ働くのか(給料は誰からもらっているのか)
  • 自分は誰から評価されているのか

対になる言葉が「やり方」=商品知識・トークスクリプト・クロージングなどの技術です。当社はOS(あり方)を入れてから、やり方を載せる順番を推奨しています。

宮脇はセミナーで、OSをこう説明しました。「パソコンはOSがなければ、どんなに良いアプリケーションを入れても動かない。新人も同じ。マナー研修をやり、商品知識も教え、ロープレもやった。それでも成果が出ない人がいるのは、大事なOSが入っていないから」。

学生が持つ営業のイメージは「売り込み・説明と説得・ノルマ」。しかし当社が新人に伝える営業像はお役立ち業です。このギャップを埋めないまま手法だけ教えても行動は変わらない、というのが当社の見解です。

今回の調査でも、参加者が最も反応したのはこの考え方でした自社調査。

セミナーで「特に印象に残った」内容(37名の自由記述より・重複計上/セールスアカデミー自社調べ)
印象に残った内容 言及数
やり方より先に「あり方」=営業のOSを入れる 7件
2ストライク3ボール(褒める2つ→改善3つ) 5件
「2:6:2」の中身が20年前から変わっているという話 5件
恥は0円 4件
売上は「ありがとう」の対価 3件

「新人には、テクニックより先にOSを入れることが重要とおっしゃられたことが、印象に残りました」

▶ セミナー参加企業|一般クラス

「新人を育てるのが難しいと感じていましたが、OSがなかったからなのかと。自分はそれなりに厳しく育ててもらいましたが、今の子たちに同じようにはできないと感じていました。それで辞められたらという不安もありました。『活かすために甘やかさない』これを管理職の面々に伝え、新人教育を頑張っていこうと思います」

▶ セミナー参加企業|係長・主任クラス

「『テクニックではなくあり方を伝える』という部分で、手法を教えがちだが、あり方をしっかり伝えた上で話をしないといけないと納得しました」

▶ セミナー参加企業|部長クラス

「活かすために甘やかさない」は、昭和のスパルタとどう違うのですか?

違いは「なぜやるのか」を伝えているかどうかです。宮脇は、大声を出す・早朝からラジオ体操をするといった軍隊式そのものを否定はしないものの、理由が示されなければ成立しないという立場を取りました。

実際、スパルタ式の研修を使っていた人事ご担当者からは、「研修中は言われた通りに従っていたが、事後アンケートでは“来年の新入社員にも勧めたいか”に多くがいいえと答え、理不尽なことで指導され意味が分からなかったと書かれていた」という話を聞いたといいます。

一方でセールスアカデミーの「甘やかさない新入社員研修」は、挨拶も発表もディスカッションも求められるため、最初の2〜3日は嫌がる受講者が多いとのこと。それでも最終日には「ここまで私たちのことを思って叱ってくれるのがありがたかった」という声が返ってくる、と宮脇は語りました。

ハラスメントを恐れて言うべきことを言えない上司が増えている今、本人のために言うべきことは言う——これが当社の育成の前提です。叱り方の線引きについては、今どきの新人は叱っちゃダメ?203人の本音でわかる新人指導4原則で詳しく解説しています。

新人営業はどのような順番で育成すればよいですか?|育成の7ステップ

結論:当社が推奨する新人営業育成の順番は、①あり方(営業のOS)→②社会人の基礎→③営業の型→④OJTで量をこなす→⑤フィードバック→⑥振り返り→⑦評価の7ステップです当社の見解。①〜③が研修、④〜⑦が配属後の運用にあたります。

今回の調査で挙がった4つの課題は、この7ステップのどこかが抜けている状態として整理できます。順番を飛ばすと、後工程で必ずつまずくというのが当社の考え方です。

新人営業育成の7ステップ(セールスアカデミーの推奨フレーム)
ステップ やること 抜けると起きること
1. あり方を理解する
(研修)
営業のOS=仕事の目的・評価者・働く理由を伝える 手法を覚えても行動が続かない(課題②)
2. 社会人の基礎を固める
(研修)
挨拶・報告・整理整頓・ビジネスマナーの基準を明示する 配属後に基礎の抜けが発覚する(課題③)
3. 営業の型を学ぶ
(研修)
ヒアリング中心の営業プロセス、ロールプレイングで型を身につける 現場で我流になり、指導が属人化する(課題①)
4. OJTで量とスピードをこなす
(配属後)
意義を伝えたうえで訪問・テレアポの量を確保する。完成度より提出の速さを評価する 型が現場で使える形にならない(課題④)
5. フィードバックする
(配属後)
2ストライク3ボール(良かった点2つ→改善点3つ)で伝える 自信を失うか、改善点が伝わらないかの二択になる
6. 振り返り・改善する
(配属後)
本人に「1つだけ・期限つき」で行動宣言させ、月次で自己記入させる 研修が「受けただけ」で終わる(課題④)
7. 評価する
(配属後)
評価の基準を社内順位ではなく「お客様への貢献」に置いて伝える 「できるのに評価されない」という不満が生まれる

研修(ステップ1〜3)では何をすればよいですか?

研修フェーズの目的は「共通言語と型を、全員に同じ内容で入れること」です。配属先ごとに教える内容が変わってしまう課題①は、この段階で防ぎます。

当社では、新入社員研修の初日に「社会人としての心構え10ヶ条」を伝え、あり方(ステップ1)と基礎(ステップ2)を先に入れてから、営業の型(ステップ3)に進みます。カリキュラムの具体例は新入社員向け営業研修の考え方と構築方法、カリキュラムの具体例、期間の決め方は新入社員研修に最適な期間は?期間別の実施内容と決め方で解説しています。

OJT(ステップ4〜7)では何をすべきですか?

OJTフェーズの目的は「研修で入れた型を、現場で使える状態にすること」です。当社が重視しているのは次の4点です。

  • 量とスピードを先に確保する。宮脇は「新人の頃は特に量をこなした方がいい。スピードも重要」と述べています。完成度100%の提出を待つより、6割で早く出させて直すほうが回数を稼げます。
  • 同行後は当日中に2ストライク3ボール。時間が経つほど、本人の記憶と上司の指摘がズレます。
  • 「なぜそう思った?」を挟む。答えを渡す前に本人の仮説を1つ言わせる。考える余白を残すための型です。
  • チェックする人と日を決める。挨拶・報告・整理整頓のような基礎は、「誰が・いつ・何を見るか」を決めなければ放置されます。

OJTの設計手順そのものを詳しく知りたい方は、新入社員研修におけるOJTの完全ガイドと「新卒に研修なし」は危険?育成を成功させるOJTのポイントをご覧ください。

新人営業研修とOJTの違いは何ですか?

研修は「全員に同じ型を入れる場」、OJTは「その型を自社の現場で使える形にする場」です。目的・担当者・評価の仕方が異なるため、どちらか一方では完結しません。

新人営業研修とOJTの違い(セールスアカデミーの整理)
比較項目 新人営業研修(Off-JT) OJT
目的 あり方・基礎・型を全員に同じ内容で入れる 型を実際の顧客・商材で使えるようにする
担当 人事・研修講師 配属先の上司・先輩(トレーナー)
強み 内容が標準化される/失敗できる場がある 実践量が確保できる/自社に最適化できる
起きやすい問題 「受けただけ」で終わる 指導者の力量によって質が変わる

なぜ新人営業は育ちにくくなったのですか?|背景にある環境変化

結論:当社は、新人が育ちにくい要因を個人の資質ではなく売り手市場・教育環境の変化・人手不足という3つが重なった環境にあると捉えています当社の見解。以下、公的統計で確認できる事実と、講師の見解を分けて示します。

変化1:売り手市場が「評価する側の感覚」を持ち込む

公的データ 厚生労働省・文部科学省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況調査(4月1日現在)」(2026年5月22日公表)によると、大学(学部)の就職率は98.0%(前年同期比 増減なし)、短期大学は97.4%でした。
出典:厚生労働省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)を公表します」

就職を希望した学生のほぼ全員が就職できる状態が続いていることは、この統計から確認できます。ここから先は当社の見解です当社の見解。宮脇は、選ぶ側の感覚のまま入社すると「上司を評価する、先輩を評価する、会社を評価する」状態になりやすいと指摘します。伝えるべきは立ち位置の変化です。「評価するどころか、自分がお客様や上司から評価される立場。会社を評価している場合ではなく、自社の価値を1ミリでも上げる一因なんです」。

変化2:「苦手を克服する経験」が少ない

当社の見解 宮脇は、いわゆるゆとり教育の是非そのものは判定できないとしたうえで、「詰め込まない・競争させない・無理をさせない」環境で育った世代は苦手を克服する経験が少ない傾向があると述べました。これは研修現場での実感であり、統計的に検証されたものではありません。

変化3:人手不足で「教える時間」が足りない

当社の見解 人手不足で採用しなければならないが、売り手市場で計画どおりに採れない。結果として採用基準が下がり、従来と同じ教育では活躍しない人材が増える。さらに人手不足だから教える時間がない——この三重苦が、この10年で成果を出せない新人を増やしてきた、というのが宮脇の見立てです。

公的データ 関連する事実として、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月24日公表)では、大学卒の就職後3年以内の離職率は33.8%(前年度比1.1ポイント低下)。事業所規模別では、1,000人以上が27.0%、100〜499人が33.9%、30〜99人が41.9%、5人未満が57.5%と差があります。
出典:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」

この統計は規模による離職率の差を示すものであり、育成体制が原因であると証明するものではありません。ただし当社は、育成に割ける時間と仕組みの差は、定着に影響しうる要素のひとつだと考えています当社の見解。早期離職の兆候については新人が辞める前に出すSOSサイン4つ|早期離職を防ぐ定着の指導法で解説しています。

「2:6:2」の変化はどこまで事実ですか?

前提:「2:6:2」は経験則であり、公的統計や学術的に確立された法則ではありません。組織の構成員が「上位2割・中位6割・下位2割」に分かれるという考え方は、いわゆる働きアリの法則として広く知られていますが、絶対的な公式ではなく経験則として紹介されるのが一般的です。本記事でも、確定した事実としては扱いません。

当社の見解 そのうえで、セミナーで多くの参加者が反応したのが「2:6:2の中身が20年前と変わってきているのではないか」という宮脇の見立てでした。上位層のなかに、かつてはいなかったレベルの突出した人材がごく少数生まれる一方、従来の上位2割に相当する層は薄くなってきている。そして最も指導が難しいのは、上位と中位の間にいる層だといいます。

この層は同世代のなかでは上位にあたるため、学生時代には褒められてきました。ところが上の世代から見れば努力量もスキルも標準的なため、入社後は以前ほど褒められません。すると「できるのに評価されない」「この会社は駄目なのでは」という反応が出やすい、という構図です。これは講師の指導経験にもとづく観察であり、数値の根拠があるものではありません。

上司が明日からできる指導法|評価の基準を「社内」から「お客様」に移す

  • 入社1日目・1週間・1か月以内に「立ち位置の変化」を伝える。宮脇は「最初の1日目、1週間、遅くとも1か月以内に何を伝えるかで成長が大きく変わる」と語りました。学生時代の評価者は先生や親、社会人の評価者はお客様と上司である——この一点を早く伝えます。
  • 褒め方の基準を「同世代比較」から「お客様への貢献」に変える。優秀さの根拠を社内順位ではなくお客様からの「ありがとう」に置くことを当社では推奨しています。基準が外に移ると、「褒められない不満」が「もっと役に立ちたい」に変わりやすくなります。
  • 苦手の克服は、量とスピードで設計する。完成度ではなく提出の速さを評価対象に加えると、行動量は上がります。

新人営業の育成で今日からできる3つのこと

セミナーの最後に宮脇が挙げた「今日からできること」は3つでした。どれも制度改定を必要としません。

新人営業の育成で今日からできる3つのこと(セミナー登壇内容より)
やること 具体的な進め方
1. 営業の意義・仕事の意義を伝える 「何のための仕事なのか」を上司自身の言葉で語る。あわせて新人にも問いかける
2. 顧客へのお役立ちを新人と一緒に考える 特定の1社・1人のお客様を選び、どんなお役立ちができそうかを一緒に書き出す。分からなければお客様に直接聞く。自社商品を通じてお客様が本質的に手に入れるもの(ベネフィット)を100%腹落ちさせる
3. 2ストライク3ボールでフィードバックする 良かった点2つ→改善点3つの順で伝える。月次では本人に書かせて振り返らせる

宮脇はベネフィットの例として生命保険を挙げました。「生命保険そのものが欲しいわけではない。怪我や病気のときに治療費を手当てでき、生活を復活させられる安心感が欲しい」。プレゼン力や流暢さより手前にある、この腹落ちが営業教育の第一歩だと語っています。

新人営業の育成でやってはいけないことは何ですか?

結論:当社が「避けたほうがよい」と考えるのは、①やり方から教える ②理由を言わずに指示する ③指示を出しすぎる ④研修をやりっぱなしにするの4つです当社の見解。いずれも今回の調査で挙がった課題と対応しています。

新人営業の育成で避けたい4つの対応と、代わりにすべきこと
避けたい対応 代わりにすべきこと
テクニック(やり方)から教える 営業のOS(あり方)を先に入れてから、型を載せる
理由を言わずに「やっておいて」と指示する 「なぜやるのか」を必ずセットで伝える
細かく指示を出し、考える余白を潰す 「なぜそう思った?」と問い返し、本人の仮説を先に出させる
研修を実施して終わりにする 翌日のフィードバックと、期限つきの行動宣言までを設計する

なお、指導とハラスメントの線引きに不安がある場合は、今どきの新人は叱っちゃダメ?203人の本音でわかる新人指導4原則もあわせてご確認ください。

この調査結果を読むときの注意点|限界と別の見方

結論:本記事の調査は当社セミナーの参加者29社37名を対象とした自社調査です。日本企業全体の傾向を示すものではなく、次の4点の限界があります。

  • サンプルに偏りがあります。回答者は「新人営業の育成をテーマにしたセミナーに自ら申し込んだ層」です。育成への関心が高い企業に偏っており、関心の低い企業の実態は含まれていません。
  • 回答は自己申告です。「うまくいっている点」「課題」はいずれも回答者の主観であり、実際の育成成果や離職データと突き合わせたものではありません。
  • セミナー直後の回答です。満足度100%、印象に残った内容の集計はいずれも受講直後のもので、研修の短期的な納得感と、現場での長期的な定着は別です。行動が変わったかどうかは本調査では測定していません。
  • 分類は編集部の判断です。自由記述のカテゴリ分けには解釈が入っており、別の分類も成り立ちます。件数は傾向を示す目安としてお読みください。

上司が自社で検証するためにできる3つのこと

  • 自社版の課題ランキングを取る。「配属後の育成で困っていること」を、配属先の上司全員に3つずつ書き出してもらう。本記事の4分類と一致するかを確認します。
  • 研修直後ではなく3か月後に聞く。受講直後の満足度ではなく、「研修で学んだことを実際に使った場面」を3か月後に書かせると、定着度が見えます。
  • 新人本人の認識と突き合わせる。上司が「伝えたつもり」の項目を、新人にも同じ質問で聞く。ズレた項目が、実際に手を入れるべき箇所です。

セールスアカデミーの新人営業研修|23日間で営業のOSと型を入れる

POINT:セールスアカデミーでは、新人営業の育成を「営業のOS(あり方)→型(やり方)→配属後のフォロー」の順で設計しています。

セールスアカデミーは2007年の創業以来、営業に特化した新入社員研修を提供してきました。セミナーで宮脇が紹介した実績は、19年間で1,000社以上とのお取引、2026年度は1,116名の新入社員研修を担当という規模です。

研修の考え方は、あり方だけを説くのでもなく、やり方だけを教えるのでもない二軸です。「やり方を教えながらあり方にも気づいてもらい、あり方を伝えることでやり方にも気づいてもらう」——これが、今回のアンケートで最も反応が大きかった部分でもありました。

「新入社員研修からフォローアップ研修までセールスアカデミー様にて実施いただいているおかげで、新卒社員の仕事に対する姿勢が保たれている部分がうまくいっていると感じております」

▶ セミナー参加企業|一般クラス(うまくいっている点として)

2026年度の新入社員研修について人事ご担当者様にお伺いしたアンケート(回答73社・自社調べ)では、研修内容・研修講師のいずれも98.6%(72社)が5点満点で4点以上と評価しています。実際の導入例は導入事例をご覧ください。

また、今回のアンケートで要望が最も多かったのは「若手・中堅社員向けの営業研修」(19名)でした。セールスアカデミーでは新入社員向けに加え、配属後のフォローアップ研修、営業向け研修、管理者(教える側)向け研修にも対応しています。

研修費用の一部は、国の人材開発支援助成金の対象となる場合があります公的データ(制度の詳細:厚生労働省「人材開発支援助成金」/当社での活用例は助成金情報)。

新人営業の育成に関するよくある質問

Q. 新人営業に最初に教えるべきことは何ですか?

A. テクニックより先に「あり方」、つまり営業のOSを教えることです。営業のOSとは、セールスアカデミーが「仕事の目的・考え方・姿勢」を指して使う独自の表現で、具体的には「営業とはどんな仕事か」「なぜ働くのか(給料は誰からもらっているのか)」「自分は誰から評価されているのか」の3点です。マナー研修や商品知識、ロールプレイングを行っても成果が出ない原因はこの土台が入っていないことだと当社は考えています。2026年9月17日のセミナー参加者アンケート(回答37名/29社・自社調べ)でも、37名中7名がこの点を最も印象に残った内容として挙げました。

Q. 新人営業はどのような順番で育成すればよいですか?

A. セールスアカデミーは「①あり方(営業のOS)→②社会人の基礎→③営業の型→④OJTで量をこなす→⑤フィードバック→⑥振り返り→⑦評価」の7ステップを推奨しています。①〜③が研修フェーズ、④〜⑦が配属後の運用フェーズです。今回の調査で挙がった4つの課題は、いずれかのステップが抜けている状態として整理できます。

Q. 新人営業の育成期間はどのくらい必要ですか?

A. 業種や商材によって異なるため一律の正解はありませんが、セールスアカデミーでは営業のOSと型を入れる期間として最大23日間の新入社員研修を設計し、配属後はフォローアップ研修で補完しています。重要なのは日数そのものではなく、研修で終わらせず配属後のOJT・フィードバックまで期間を区切って設計することだと当社は考えています。

Q. 新人営業が売れない原因は何ですか?

A. 当社は、原因の多くが「営業のOSが入っていないこと」と「行動量の不足」にあると考えています。営業を売り込みだと捉えたままでは、ヒアリングよりも説明に偏り、お客様の課題にたどり着けません。また新人期は完成度より量とスピードが成長を左右するため、提出の速さを評価対象に加えることを推奨しています。これは当社の指導経験にもとづく見解であり、統計的に検証されたものではありません。

Q. 新人営業への効果的なフィードバック方法はありますか?

A. セールスアカデミーが推奨しているのは「2ストライク3ボール」です。良かった点を2つ伝えてから、改善点を3つ伝えます。ダメ出しだけでは受け取れず、褒めるだけでは改善しないためで、項目数を絞ることで焦点がはっきりします。同行後は当日中に伝えること、月次では本人自身に2ストライク3ボールを書かせて振り返らせることをあわせて推奨しています。

Q. 新人営業のOJTでは何をすべきですか?

A. OJTの目的は、研修で入れた型を自社の顧客・商材で使える状態にすることです。具体的には、①意義を伝えたうえで訪問・テレアポの量とスピードを確保する、②同行後は当日中に2ストライク3ボールで振り返る、③答えを渡す前に「なぜそう思った?」と本人の仮説を出させる、④挨拶・報告・整理整頓などの基礎は「誰が・いつ・何を見るか」を決めておく、の4点を当社では重視しています。

Q. 新人営業研修とOJTの違いは何ですか?

A. 研修(Off-JT)は全員に同じあり方・基礎・型を入れる場、OJTはその型を現場で使える形にする場です。研修は内容が標準化される一方で「受けただけ」で終わりやすく、OJTは実践量を確保できる一方で指導者の力量によって質が変わります。どちらか一方では完結しないため、当社は両方を前提に育成を設計することを推奨しています。

Q. 新人営業のモチベーションが続きません。どうすればよいですか?

A. やることの「なぜ」をセットで伝えてください。セミナーで宮脇伸二は、テレアポを「おせっかい営業」と説明し、自覚症状のないお客様の課題に気づいてもらう仕事だと意義づけています。同じ量をこなすにしても、意義を伝えるかどうかで質が変わるという考え方です。今回のアンケートでも、モチベーション・動機づけは有効回答34件中7件と2番目に多い課題でした。

Q. 配属先によって新人営業の育成にばらつきが出るのを防ぐ方法はありますか?

A. 新人に伝える項目を紙1枚に固定し、配属先の上司全員に同じものを配ることです。セールスアカデミーでは新入社員研修の初日に「社会人としての心構え10ヶ条」を伝えています。今回のアンケートでも「育成の仕組み・標準化ができていない」が有効回答34件中11件で最多であり、とくに配属後のばらつきが課題として挙がりました。配属後のフォローアップ研修で解釈のズレを戻すことも有効だと当社は考えています。

Q. 新人営業の育成でやってはいけないことは何ですか?

A. 当社が避けたほうがよいと考えるのは、①やり方から教える、②理由を言わずに指示する、③細かく指示を出して考える余白を潰す、④研修をやりっぱなしにする、の4つです。いずれも今回の調査で挙がった課題と対応しており、代わりに「あり方を先に入れる」「なぜをセットで伝える」「本人の仮説を先に出させる」「期限つきの行動宣言まで設計する」ことを推奨しています。

Q. 新人営業研修は社内で行うべきですか、外部に依頼すべきですか?

A. 自社の商品知識や業務手順は社内、営業のOSと型は外部という組み合わせが現実的だと当社は考えています。外部に依頼するメリットは、教える人の力量に左右されず内容が標準化されること、失敗できる場を用意できることです。今回のアンケートでも「TOP成績社員が片手間で集合研修を実施しており、短期的な効果に感じる」「体系的な教育ができていない」といった声が挙がりました。セールスアカデミーの新入社員研修は最大23日間で、厚生労働省の人材開発支援助成金の対象となる場合があります。

まとめ|新人営業の育成は「順番」で決まる

  • 2026年9月17日のセミナー参加者アンケート(52名参加/回答29社37名・自社調べ)で最も多かった課題は「育成の仕組み・標準化ができていない」(有効回答34件中11件)でした。
  • 次いで「モチベーション・動機づけ」7件、「主体性・社会人基礎力」7件、「研修が現場の行動に変わらない」5件。配属後の関わり方に課題が集中しています。
  • 当社が推奨する育成の順番は、①あり方(営業のOS)→②社会人の基礎→③営業の型→④OJT→⑤フィードバック→⑥振り返り→⑦評価の7ステップです。
  • 今日から始めるなら、「仕事の意義を伝える」「お客様へのお役立ちを一緒に考える」「2ストライク3ボールでフィードバックする」の3つから。
  • 本記事の調査は当社セミナー参加者を対象とした自社調査であり、日本企業全体の傾向を示すものではありません。自社での検証方法は「この調査結果を読むときの注意点」に記載しています。

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監修:宮脇 伸二(みやわき しんじ)
株式会社セールスアカデミー 代表取締役。九州大学理学部物理学科卒業後、三和銀行(現・三菱UFJ銀行)で法人融資を担当。会計コンサルティング・システム開発会社でコンサル営業のノウハウを身につけ、2007年に同社を設立。営業に特化した新入社員研修を専門とし、19年間で1,000社以上を支援、2026年度は1,116名の新入社員研修を担当。経営理念「熱・考・動」を掲げ、2025年12月に福岡証券取引所Fukuoka PRO Marketへ上場。著書『新人営業は23日で決まる ——「熱・考・動」の実践』(イーリサパブリッシング/2026年9月11日)。講師紹介はこちら

執筆:株式会社セールスアカデミー 編集部(新入社員研修・新人営業育成の専門メディア運営)

本記事のデータ出典
・自社調査:2026年9月17日 出版記念お役立ちセミナー参加者アンケート(参加52名/回答37名・29社・株式会社セールスアカデミー自社調べ)
・自社調査:2026年度 新入社員研修 人事ご担当者様向けアンケート(回答73社・自社調べ)
・公的統計:厚生労働省・文部科学省「令和8年3月大学等卒業者の就職状況(4月1日現在)」(2026年5月22日公表)
・公的統計:厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)」(2025年10月24日公表)
・公的資料:経済産業省「社会人基礎力」/厚生労働省「人材開発支援助成金」
・初回公開:2026年9月21日/最終更新:2026年9月21日

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