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コラム
新入社員研修に最適な期間は?期間別実施内容や期間の決め方、研修効率向上のコツを解説

新入社員研修の平均期間
他社の新入社員研修期間を知る機会は、多くはないかもしれません。一体、他社ではどれくらいの期間をかけ、新入社員を育成しているのでしょうか。 まず、新入社員研修にかけられている平均的な期間を解説します。アンケート調査では「1週間~1か月」の期間設定が多い
企業人事や労働環境などに関する調査を行うHR総研が実施したアンケート「人材育成「新入社員研修」に関するアンケート調査」(2020年)からは、新入社員研修の平均的な日数は1週間~1か月が多いと分かっています。 最多の回答は「1週間程度(19%)」で、次いで「2週間程度(18%)」「1か月程度(16%)」と続きます。1週間~1か月程度の研修期間を実施する企業が、全体の半分以上(53%)を占めています。 また、企業規模と研修期間は比例する傾向があります。従業員数300名以下の企業では「1週間程度」の回答が21%と最多であったのに対し、従業員数1,000名以上の企業では「1か月程度」の回答が20%で最多でした。 新入社員研修には、コストがかかります。育成にコストをかけにくい中小企業ほど、研修を早期に完了させ、現場に配属する傾向が見られます。専門職種ほど、新入社員研修の長期化が見られる
別の調査機関によるアンケートでは、職種によっても新入社員研修の期間が変動するとわかっています。 事務系職種では1か月程度の研修期間との回答が最多でしたが、技術系職種では3か月程度という回答が最多となっています。技術系職種はプログラミング言語やIT技術・リテラシーなど、習得すべき知識が膨大にあります。研修期間を確保し、十分に育成してから現場に配属したいとの、企業の意図が見えてきます。【期間別】新入社員研修で得られる効果
期間別に、研修で扱えるテーマ内容をまとめました。自社に適した新入社員研修期間を決定するヒントにしてください。~1週間
1週間程度、休業日を考慮すると実質5日間程度の研修で扱える内容例は、以下の通りです。- 企業理念の解説と理解促進
- 社会人としてのマインドセット
- 基本的なビジネスマナーのトレーニング
- コミュニケーションの基本
~2週間
2週間程度の期間があれば、1週間までの内容にさらに以下のテーマを加えられる可能性が高まります。- OAスキル(パソコン操作など)
- PDCAの考え方
- ロジカルシンキングの基本
- メンタルヘルス、コンプライアンス
~1・2か月
新入社員研修に1・2か月を確保できる場合、配属後の部署で求められる基礎スキルの習得まで、研修期間内で扱えるでしょう。 実際の場面を想定した報連相のロールプレイングや、専門的なPCスキルの習得、語学研修なども扱える可能性が高まります。e-ラーニング教材や外部研修を活用し、新入社員に課題やレポートを提出させて、理解度を客観的に測定するなどの取り組みもできるようになります。 新入社員一人ひとりの習熟度を細かく見極められるようになり、個別に即したフォローも可能になるでしょう。早期離職を回避するための帰属意識向上に特化したテーマの採用もおすすめです。新入社員研修期間の決め方
新入社員研修の適正期間は、次の3つの要素で決まります。- 新入社員研修の目的とゴール
- 研修対象者の現状
- カリキュラム
新入社員研修の目的・ゴールを確認する
新入社員研修の期間もカリキュラムも、目的とゴールの設定なくしては決まりません。目的があやふやだと「何のための研修か」が指導者・受講者とも見えずらくなります。また、ゴール設定がなければ、何を持って研修の完了・成功を判断するのか、その指標すら設定できないでしょう。 「毎年やっているから」「どの会社でもやっているから」という理由ではなく、自社の新入社員に研修が必要な理由を言語化し、目指す姿を具体的に描いてください。目的やゴールの決定に当たっては、配属予定の現場が新入社員にどのような姿を期待するか、ヒアリングすると精細に設定できるようになります。研修対象者の現状を把握する
研修の成否には、理解力や意欲など、研修受講者の属人的要素も影響します。効果のある研修を提供するためには、対象者の現状把握が欠かせません。 初めてインターンを実施した年の新入社員は、インターンがない年度入社の人材とくらべて、会社への理解度が高い可能性があります。こうした新入社員研修に、従前と同様の研修を実施するとどうなるでしょうか。既知の内容が何度も登場し、飽きを感じさせる可能性があります。場合によっては、研修によって入社前に抱いていた期待値が下降し、入社意欲を減退させるおそれも考えられます。 「今年の」新入社員に最適な内容の研修を構成するために、研修対象者の現状把握にも時間をかけるようにしましょう。カリキュラムを策定し、必要期間を算出する
目的・ゴールを設定して研修対象者の現状を把握したら、研修カリキュラムの策定に入ります。目的・ゴールの達成に必要な研修内容を考案し、計画に落とし込んでいきましょう。 内容とあわせて、研修のやり方も工夫します。受講者がモチベーション高く、カリキュラムを学んでいける研修方法はどれか、細かく設定してください。 受講者参加型のロールプレイングやディスカッションは、実践的に習得させたい内容に最適です。グループワークは、受講者同士のコミュニケーション活性化にも役立ちます。 カリキュラムが完成したら、必要な研修期間を算出します。研修者の現状とカリキュラムを突き合わせ、どのメニューに何時間(何日)必要か、具体的に決めてください。〈Tips〉研修期間は、長すぎても短すぎてもNG! 最適な研修期間とは、必要な知識・スキルを十分に扱った上で、受講者が飽きる前に終了できるスケジュールです。研修が長すぎると、受講者は現場で活躍できる機会が先延ばしされていると感じ、意欲が減退するおそれがあります。反対に、短すぎる研修では、必要な知識・スキルを十分に扱えず、未成熟のまま現場に育成を委ねることになってしまいます。 また、研修期間中の受講者は、企業の生産活動に従事していません。自社のリソースを闇雲に費やすことにもなりかねない点に注意しましょう。 |
新入社員研修の準備は前年度の秋~冬ごろから
新入社員研修の準備にも期間が必要です。通例、新入社員研修の計画・準備は、前年の10月から12月ごろにかけてスタートする企業が多いようです。具体的なスケジュールは、以下の通りです。- 10月~12月:新入社員研修計画検討を開始
- 1月:新入社員研修の目的・ゴールを設定
- 2月:具体的なカリキュラムや研修期間の決定
- 3月:会場手配、指導者人材の確保
期間内に効果を発揮する新入社員研修期間のポイント
新入社員研修には、限られた期間でカリキュラムを消化し、新入社員を目標レベルに育成する役割が期待されます。では、新入社員研修の効率と効果性を上げるためには、どのような取り組みをすべきでしょうか。 所定の期間内で、新入社員研修の効果を高めるポイントを4つ解説します。対象者に目的・ゴールを共有する
新入社員研修の目的やゴールは、ぜひ新入社員にも共有しましょう。新入社員研修の目的・ゴールは、すなわち新入社員が研修を受けるべき理由でもあります。自社が新入社員研修を通じて、新入社員に「いつまでに・何を・どの程度習得して欲しい」と考えているのか、そのビジョンを共有します。 ビジョンの共有は、受講者の意欲と当事者意識の醸成に有効だというのは、ご存じの通りです。当事者意識がある受講者との新入社員研修は、従前の研修の何倍も効率良く進んでいくでしょう。フォローアップ体制を整える
新入社員研修で扱う内容は多岐に渡ります。ビジネスマナーやコミュニケーション能力、ロジカルシンキングなど社会人の基礎スキルといえるものから、企業理念の理解、現場で必要な知識・技能の習得など、企業独自のコンテンツまでさまざまです。 限られた新入社員研修期間ですべてを網羅しようとすると、どうしてもカリキュラムが過剰になります。内容を盛り込み、充実した研修を目指すほどに、受講者が消化不良に陥るジレンマが発生するかもしれません。研修の内容が定着しなくては、研修に費やしたコストも無駄になってしまいます。 新入社員研修の計画では、フォローアップ体制も整備しましょう。先輩社員が新入社員研修の質問に答えたり、講義の最後や時間外に相談できる場を設けたりといった取り組みで、新入社員研修の効果性は格段に向上していきます。 こうしたフォローアップ体制の構築は、新入社員に「自分たちは大切にしてもらっている」「期待してもらっている」との印象も与えます。ひいては帰属意識の向上・離職防止にも有効です。オンライン研修・ITツールを活用する
新入社員研修時間内だけでは、知識を理解できても、習得・定着までは難しいケースもあるでしょう。扱う内容の専門度が高まるほど、このジレンマは発生しやすくなります。 そこでおすすめしたいのが、オンラインやITツールなどの活用です。活用アイデアの一例を紹介します。- 研修の録画をアーカイブにし、いつでも視聴して復習できるようにする
- オンラインやチャットで、いつでも質問・相談できるようにする
- あらかじめ講義内容を動画配信しておき、予習できるようにする
研修の外注を検討する
新入社員研修の一部、あるいは全体を外注するという選択肢もあります。人材育成の現場では、急激に進む環境変化への対応や従業員の就労意識の多様化が、大きな課題ではないでしょうか。課題にスピーディーに対応し、最適な研修を毎年続けるのは、容易ではありません。 外部のプロフェッショナルを研修に活用すると、時代に即した研修内容の構築が容易になります。また、指導スキルや知識、コミュニケーションに秀でたプロ講師も招聘でき、新入社員の現状に合わせた研修実践も可能になります。社内では得られない、外部ならではの新しい視点を学べる点も、外注のメリットです。〈Tips〉新入社員研修の外注なら、SALES ACADEMYにお任せください! SALES ACADEMYは、東京・福岡を拠点に、全国で新人教育と育成を手掛けています。「令和式の甘やかさない新入社員研修」をモットーに、変化の激しい現代を生き抜く力を持ったビジネスパーソンを数多く育ててきました。 フォローアップ研修や内定者研修、さらに上司の方への研修など、ニーズに応じて最適な研修をご提案します。新入社員研修の外注先をお探しなら、SALES ACADEMYにご相談ください。 お問い合わせ・ご相談はこちらから |